「烈司さん!!烈司さんの力で、瑞希お兄ちゃんを探して下さい!お願いします!」
「凛たん・・・」
私のお願いに、彼はクールな表情で言った。
「わりぃ、出来ない。」
「はああああああああ!?」
〔★即決で断られた★〕
「で、できないって・・・!?」
(なんでこんな時に、いじわるすんのよ!?)
泣きそうな思いで彼を見れば、それに気づいた烈司さんが慌てるように言った。
「あ、勘違いするなよ~凛たん!これ意地悪とかじゃなくて、本当に『探せない』んだわ。」
「な・・・何言ってるんですか!?可児君を探し出したでしょう!?」
「ははは~いや、凛たんだから言うんだけどさ~」
えー?えー?と混乱する私に近づくと、肩を抱きながら彼は言った。
「俺さ、占い師してて、霊視もできるんだけどさ~」
「知ってます!早く透視して!」
「いやいや!霊視でも、相性によっては出来ないんだって。」
「まさか!?透視も相性とか!?瑞希お兄ちゃんとは合わないんですか!?」
「ん~少し違うかなぁ~」
「もったいぶらずに早く言って下さい!瑞希お兄ちゃんの安全へのカウントダウンが~!」
「よしよし、話すから落ち着こうかー?」
しがみつきながら訴えれば、私をあやしてから言った。
「俺、近いと視えないんだ。」
「は?」
(近い??)
「いや~・・・占い師は、基本、自分のことは占えないし、視えないことが多いんだ。俺もそのタイプ。」
「つまり??」
「んーつまりね、俺と仲がよければよいほど、俺の将来に関わり合いの多い人ほど、透視とか霊視とかできないんだよねー」
「え?」
「だから、瑞希はもちろん、モニカも、伊織も、皇助も・・・・凛たんのことだって、視えないんだよな。」
「マジですか?」
「マジだねーそうじゃなきゃ、2代目達は死んでない。」
「っ!?」
その言葉が胸に突き刺さる。
(そうだよね・・・視えてれば、死んでなかったよね・・・)
「ご、ごめんなさい、烈司さん、僕・・・・」
嫌なことまで思い出させてしまった・・・
力が抜けた手が烈司さんから離れる。
「・・・・・凛たんが、謝ることじゃねぇよ。」
そんな私の手を、彼は握りながら言った。