(まだ、我慢は出来るけど・・・・・・・。)



でも、助けてほしい。




―我慢するのも、3回までです。―




占い師のLEONさんも言っていた。




(嫌だと思った3回目で、逃げていいって・・・・)




今日のこと、カウントしていいよね?

それなら、あと2回ってことだね?




(でも、悪くないのにいじめられて逃げるって、かっこ悪いよ・・・)




私にだって、プライドがある。

つまらないものかもしれないけど、いじめられてるなんて・・・・・・・やっぱり言えない。

言って楽になりたいけど、いじめられてるみじめな自分を話すことがつらい。




(先生だって・・・私の話、信じてくれなかった。)




身近な部類に入る大人は、助けてくれなかった。

もし、良心にいじめのことを離した時、はたして彼らは助けてくれるのか?





(私を助けてくれた瑞希お兄ちゃんが『ヤンキー』だとわかった瞬間、探し出してお礼を言うことをやめたような人達を・・・・)





信じていいの?



(助けてくれるかな・・・・?)



自分では解けない問題。

ぼんやりしながら景色を見ていたら、見覚えのある人が現れた。






「あ。」

「ん?」




かすかな声。

視線の先の曲がり角から、こちらへと顔を出している女の子がいた。






(カンナさん!!)




待ちに待った人物。




来てくれた!



(本当に来てくれたんだ・・・!)



カンナさんが来てくれた!




(会いたかった、カンナさん!ずっと話がしたかった!)





ストローから口を放す。

出迎えようと、もたれていた自分の単車から離れる。

手を振って、名前を呼ぼうとしたけど。





「カン――――――――――!!」




ブーン、キキキッ!!



「へ?」






ふいに、隣で急ブレーキが踏まれた。

見れば、どこにでもある普通のワゴン車。

普通じゃないとすれば―――――





バン!!



「え?」






いきなり後ろの席の扉が開いて、無言で男が数人降りてきた。





(なに?)


ガシッガシッ!




そう思っている間に、手足を掴まれ、体を担がれる。






「え?え!?ええ!?」




そしてそのまま、私はワゴン車の中へ。





バッターンっ!





「ええええええええええええ――――!?」





ブオン!ブブー!!





気づいた時には、車は発していた。




〔★あっという間の出来事だった★〕