おじさんにボタンを押され、持っていかれたカフェインのコーヒー。



(本当なら、いちごみるくだったのに・・・)



やり直しの意味も込め、お金を入れて、私がほしいものを選んだ。




「ふーやれやれ。」




出てきた飲み物を手に取り、ストローを指しながら思う。




(顔バレ防止とはいえ、口元を隠すのは不便。)




ご飯もだけど、熱くなっていく季節、水分補給が大変。

ストローを持ち歩くのも大変だし、やっぱり日焼けが心配だ。




(ただでさえ、いじめ問題が未解決になっちゃったから・・・忌められるネタを増やしたくない。)




そういえば、ヤマトがぶっ飛ばした3年はどうなったんだろう?

ヤマトは顔を見られないように倒したけど、私は?




(八つ当たりで、お礼参りされたらイヤだな・・・・)



〔★可能性のある話だ★〕




バンダナの下から、チューといちごミルクを吸いながらため息。




(こうなったら、いじめ110かいじめ相談に電話したり、保健室のカウンセラーの先生に相談しようかな・・・?)



担任の井谷は・・・ババアはあてにならないしね。



〔★戦力外リストに乗せた★〕




今日のことを教訓に、自分を守る方法を考える。


一番確実なのは・・・・



(お母さん達にも・・・・・・言った方が良いかな?)




両親への相談。

言えばきっと、楽になる。

だけど、『問題』にすれば進路に響く。

内心に響くんじゃないかと両親は心配するだろう。

ワンランク下の学校を選んだのは、大学入試を有利にするため。

それが今の高校に通っている理由。



(いじめさえなければ、今の学校でもいい。)



でも、あんな風にいじめっ子のボスに逆ギレされ、先生にも信用されない状態で通うのはつらい。




(学校、やめたいな・・・・)




―高校は、あなたの学力より低いところにしましょう。そうすれば簡単に一番になれて、推薦資格ももらえるわ。大学への入試手段が増えるだけじゃなくて、凛だって楽できるものね。―




(・・・・・・転校は、無理だろうな。)





両親が、期待していることは知ってる。

同時に、転校することで、入学金や無理して出していた寄付金も駄目になる。

無駄になってしまう・・・・

それなら、私が我慢できる限り、我慢した方がいい。