急いで教室に戻り、薄いカバンをつかんで机から離れる。



「あれ、カンナー?バックレるの?」

「そうだよ。じゃーね。」



呼び出しをしてくれたダチに、短く言ってからサヨナラした。

出ようとするあたしと入れ替わりに、あいつらも教室に入ってくる。




「コラ、待てカンナ!」

「移動が速いぞ!」

「カンナ~!」


「あれ?たいちゃん達も、帰っちゃうのー?」

「悪いか!?」

「誰もそこまで言ってないないじゃーん?」




同じようにカバンを持って出ようとする大河達に、あたしに同じことを言った女のダチが、同じ質問をし始める。

これをチャンス!とばかりに、急いで校門へ戻った。





「うははははは!早いのぅ~!早退だけに戻ってくるのも!」

「うっせぇ!テメーもサボりだろう、『ヤマト』!」

「うはははは!こりゃあ、カンナちゃんに一本取られたわい!」




ペシ!と自分の頭を手で叩くと、また笑い出す声が大きい男。

その姿を見てるうちに、疑問が強くなる。




「オメーよ~凛とどうやって出会ったんだよ?」

「うははははは!逃走中のハゲ君が凛を跳ね飛ばしてのぉ~!それをキャッチ&リリースしたのがわしや!」

「オメーが助けたのかよ!?」

「うははははは!まぁお互い様やで!いろいろあったからのぉ~!」

「じゃあ、そのいろいろは後で聞く!行くぞ!」

「うはははは!行こう行こう!」


「って、コラ―――――――――!!俺らを置いて行くな!!」




関西人と2人で行こうとすれば、後ろから息切れの混じった声がした。



「大河。」

「オイ、カンナ!勝手にいくんじゃねぇ!」

「一人で動くな。」

「俺らも連れてけ!」



〔★大河と秀と悠斗が現れた★〕
〔★仲間に入れてほしそうだ★〕




「はあ?オメーらがトロんだろう~?大河だけじゃなく、悠斗と秀も来るのかよ?」

「当然だ!混ぜろよ!」

「同じ爆裂弾だろーが?」



呆れる思いで聞き返せば、悠斗と秀が答える。

それに続くように、呼吸を整えながら大河が言った。




「オメーが凛道となんかあってからじゃ遅せぇんだよ。念のためだ・・・!」

「そうだそうだ!!カンナに何かあったら、あれだろう!?」

「壁役ぐれーはしねぇと。」

「はあ?オメーら、あたしが心配とでも言いてぇのか?」




理解し合ってるはずの仲間からの言葉に呆れる。

だから、その思いを口にした。