「自首って、はあ!?金目当てで、自分の身を差し出せるのかお前!?」

「いや、冗談ですよ、おじさん。あくまで参考までに~」

「どう参考するんだよ、凛道蓮!?なにそれ!?マジで、ななめ上を行く考えだよ、ホント!?」

「いやいや、冗談ですよ、岩倉さん~」



〔★冗談ではすまない★〕




本気で聞いたわけじゃない。

何となく聞いただけで、少しの遊び心もあったかもしれない。

笑って答える私に、どちらともなくため息をつく警官2人。



「あほくせぇ・・・!そうやってのん気にするのもいいが、拉致られんなよ、坊や!」

「まったくです!凛道蓮、今回は見逃してやるが、次はこの僕が捕まえる!」

「わかりました。続きは次回に繰り越しで。」

「ホント、イラッとしますね、フジバラさん!?」



私の言葉に、岩倉と言う男がフジバラに訴える。

これに警部は、紙パックを横にふりながら言う。



「勘違いするなよ、凛道。俺は、ただのヤンキー同士の喧嘩ならお節介はしねぇ。けど、今回の相手は蛇の目・・・・分(ぶ)が悪すぎる。」

「聞いてます。島流しにあったメンバーで、結成されてるんでしょう?」

「なんだ?わかってんならいいぜ。あっちは、『都心』とのつながりもある。ケツ持ちであるバックも、あんなんだからな。せいぜい、家で布団かぶって寝てろ!」



そう言うと、カラになった紙パックをゴミ箱に入れる。

そして、いつの間にか止まっていたパトカーに乗り込んで行った。




(・・・・家で布団かぶって寝てろ、か・・・・)




出来ることなら、『菅原凛』としてはそうしたい。

でも、『凛道蓮』である以上、それはしたくない。




(そんなことしたら、瑞希お兄ちゃんに会えないもんね!)




〔★自分の危険よりも、瑞希を優先した★〕