「やれやれ、警戒されちゃってるねー?心配しなくても、君相手だったら、俺は『視えない』から安心してよ?」

「え!?私相手だと・・・・?」



視えない?

どういうこと?



気になり、目だけでチラッと見る。

相手は、それを待っていたかのように私を見てくる。

にんまりとしながら、見つめていた。




(ガンを飛ばしてる時と、全然違う・・・・)




そこらのホストよりも、モテそうな雰囲気。

いろいろ考えていたら、体を前かがみに、私の方を覗き見ながら烈司さんは言う。



「一応、霊視は出来るんだけどね・・・困ることもあるんだ。」

「・・・・困ること?」

「そう。全員が全員、視えるわけじゃないんだ。時々、お嬢さんみたいに、『視えない人』もいる。」

「えっ!?私は、視えない・・・・?」

「そうそう。そういう人は、大体、部屋に入ってきてからわかるからね。だから、鑑定方法をご案内する前に、霊視の項目に紙を貼って渡すんだ。霊視は出来ないってね・・・・」

「そうでしたか・・・・」

「しかもこれね、視えない人は、その人の顔までぼやけて見えるんだ。」

「ぼやける!?」

「目が悪いとかじゃないよー?なんというか・・・視える力の作用なのかな~ちょっと困るね。」

「じゃあ、つまり・・・・」




(私の顔も見えていない・・・・!?)




そんなことを考えながら、ゆっくりと顔を上げる。

思い切って、烈司さんの目を見る。

彼に顔が見える状態で、向き合った。





「信じてくれた?」

「・・・信じ、ます。だって、あなたはー」




瑞希お兄ちゃんの・・・・


そう言いかけて、口を閉じる。




「なに?」



頬杖ついて聞いてくる占い師に言った。




「あなたは・・・私を助けてくれた方が信頼してる人ですから・・・・」

「ありがとー♪」





そう伝えたら、頭をナデナデされた。



〔★今日はよく、頭をなでられる日だ★〕