最近、私の身の回りは、びっくりすることが起こりすぎだと思う。
「はい、手当完了。」
「あ・・・ありがとうございます。」
「いいのよ、お嬢さん。じゃあ、私はこれで。」
「すみません、水月さん。」
「店長、サンキュー。」
「いいのよ。肌に触れるなら、異性より、同性の方が安心するからね?」
笑顔で言う着物のお姉さんは、占いの館の店長の水月さん。
離れて見ても、近くで見ても、やっぱり美人。
キレイな上に、占いもすごいという。
そんな彼女となごやかに話すのは、大好きな瑞希お兄ちゃんと占い師のLEON(レオン)さん。
いや、LEONさんじゃなくて・・・
「じゃあ、烈司借りますね。」
「LEONて呼べ、瑞希。」
(烈司さん・・・・)
『占い師』だと名乗る烈司さんに、複雑な気持ちになる。
いじめが原因で早退した帰り、いじめの主犯である渕上に襲われたところを、瑞希お兄ちゃんとカンナさんに助けられた。
私が、凛道蓮だということに2人は気づかなかった。
(それは良かったんだけど・・・)
全くの初対面とされた結果。
私は『瑞希お兄ちゃんのなじみのお店』で手当てを受けることになったのだけど・・・・
「あたしはもう行くから、これ、みんなで食べなさい。」
「ありがとうございます、水月さん。」
「店長、サービス良い~」
「その分、LEONに働いてもらうのよ?お嬢さんも、またね?」
そう言って、和服美人は私の頭をヨシヨシしてくれた。
女性らしい、きめ細やかなナデ方。
「ありがとうございました・・・」
お礼を言えば、ふふっと笑って出て行ってしまった。
部屋には、私達3人が残される。
(・・・・きまずっ!!)
〔★居心地が悪かった★〕
うつむいたまま、考える。
どうしたらいいのか。
瑞希お兄ちゃんに加え、烈司さんにバレないためにも、どうしたらいいか。
「瑞希、この子だけど・・・」
(キタっ!!)
私に関する何らかの質問。
(気づかれた!?)
警戒気味に、体を固める。
チャララ~チャララ~♪
そうしたら、携帯が鳴った。
音を出しているのは、あの方の携帯。
(この着メロ!瑞希お兄ちゃん!?)
「あれ?俺?」
「瑞希、今日休みだろう?」
「そうなんだけど・・・まだ、副店長の調子が悪いのかもしれねぇー」
携帯表示を見ながら、困った顔で瑞希お兄ちゃんは言う。
そして、電話に出た。