「どうだ?久しぶりの故郷は」


「いやあ、空気が違いますね。親の元気な姿見れてよかったです」


小山内は嬉しさのあまり、俺に自分のスマホを見せた。


微笑ましい家族の集合写真だ。


「笑いながら怒られました。忙しいのはわかるけど、たまには電話くらいよこせって」


うらやましいなあ。両親がまだ健在で。


俺の親は父親が先に旅立ち、母親が後を追うように父親の元へ旅立ってしまったからなあ。


俺の犯した罪のせいで肩身の狭い思いさせて寿命縮めてしまったことを墓前で手を合わせて謝ってるが、俺がくたばっても許してくれないだろうな。


スマホを小山内に返したところで光宏がコーヒーを持ってきた。


「ごゆっくり」


美人を見ると鼻息荒いのは年取っても変わらんなあ。


光宏にロックオンされかかってる小山内はまだスマホに夢中で眼中にはないけどな。