「日葵が好き」
「っ……」
「卒業まで、我慢するつもりだった」
ゆっくりと体を離して、凛ちゃんは切なそうに話す。
まっすぐな瞳。
あたしの大好きな凛ちゃん。
こんな、こんなに嬉しいことってない。
「あ、あたしも! 凛ちゃんが大好き。 ずっと、物心ついたときから好き。 凛ちゃっ……」
「ストップ」
「えっ」
凛ちゃんもあたしを好きでいてくれてるんだとわかった途端、想いが止まらなかった。
だから、凛ちゃんにストップをかけられて拍子抜けした。
「ひまばかなの? そんな言われたら我慢できないんだけど」
「へ? 我慢……? なんの? しなくていいのに」
さっき「卒業まで、我慢するつもりだった」って、言ってた。
開放したら、もうなにひとつ我慢しなくていいのに。 ……ううん、してほしくない。
「はあ、ほんっとばか……」
言葉はイジワルなのに、頭をなでるその手は優しくて、うっとり、目をつむってしまう。