キッチンで買ってきた物を出していると、秀が側に寄ってきた。

――なんだか、犬か猫みたい。
クスッと笑うと、怪訝な顔をしながら秀が言った。

「何作るの?」

「んと、あまり難しい物は作れないから…肉じゃがと酢の物とお味噌汁と、あと焼き魚。
ごはんはレトルトだけど、いいよね?」

「うん…すげーな日和。」

「ん?」

「大人みたい。」

「大人ですぅ!」

笑いあうと、どちらともなくお腹が鳴った。


「「あ。」」

「ちょっと秀、いつも食べないからお腹空くのよ!」

袋から買ったものを取りだしながら私が言うと、
秀は言い返しながら包丁やまな板、鍋などを出してくれた。

「日和だって鳴ったじゃないか!」

「鳴ってないわよ!」

「いや鳴った!」


誰かと笑いながらする料理って、こんなに楽しいんだ。

――ううん。
きっと、秀と一緒だから、久しぶりにたくさん笑えてるから、こんなにも楽しいんだ。