もう、秀ってば…
なんで頼ってくれなかったのよ!
疲れてごはん作れそうになかったら、私が作りにいったり、作ったもの持っていったりしたのに…
私一応彼女なのに!ばかばか!

涙がこぼれそうになりながら、私は歩を進めた。



帰ってきたとき、そういえば鍵をかけられていたら開けられないじゃん…と思ったけど、ドアはすんなり開いた。

怒ったの、ちょっと恥ずかしいな…。
秀だってきっと忙しくて仕方なかったんだろうに。

「ただいま…」

小声で言うと、ばたばたと掛けてくる足音。


「おかえり。」

久々に見る、秀のほんとの笑顔だった。