「ちょっと話さない?」

そう言う秀にうなずいた。



私はカラオケに行こうという同期たちに、古い友人と出会ったからと謝って、
秀の元にもどった。


「お待たせ。」

「近くに知り合いの店があるんだ。そこでいい?」



そう言った秀の後についていくと、オシャレな雰囲気のバーについた。

「素敵なお店ですね。」

「ありがとう。
秀が女連れてるだなんて。いつぶり?」

「やめろよ。」

バーのマスターは秀とはまた違ったタイプのイケメンで、私たちよりまた10歳くらい年上に見えた。

「あ、僕は秀の従兄弟でカナタっていうんだ。よろしくね。」

「はい。――あ、一条日和です。」

そう言った瞬間、マスターが大きく目を見開いた。

「ひよりちゃん…?」

「え?…はい。」

「へぇ…なるほどね。綺麗な子だね?秀。」

「…うるさい。ちょっとトイレ。」

そう言って席を立った秀に私が首を傾げていると。