レストランから出ると、近くの駅に入り、地下に降りた。
ここの地下街は、オシャレな雰囲気に造ってあって、密かに私のお気に入りのスポットだ。


「ありがと」

「ん?」

「ヒール歩きにくいから、歩調合わせてくれるの嬉しい。」

「…うん。」

顔を背ける秀。
少しだけ歩調が早くなって、でもちょっとするとまた私の隣に戻った。

(照れてるし。)

お礼を言われるのに慣れていないところは相変わらずみたい。



「あ。あのお店閉店セールやってる。」

時々行っていた、安くて可愛い雑貨やさん。
なくなっちゃうのか…ショックだなぁ。

「入ってもいい?」

「おお。」