お爺ちゃん家の屋根も、はんぶんはこんなちゃいろの草みたいなやつが乗ってたっけ。
「儂の息子も、とっくの昔に此処を出て行った。今じゃ年に一本の電話も寄越さんわい。じゃから、この山にカブトムシを捕りに来る子供達が、儂にとっては孫みたいなもんでの。暑さなんぞものともせずに、カブトムシに目を輝かせて自転車を漕いでくる子供達を、家の中から見ているのが何よりも楽しみなんじゃ。孫が来てくれなくなるのは寂しくていかん。」
そう言って山羊のお爺さんは、入れ歯がおちちゃわないかと思うぐらい、ニッコリと笑った。
でも、なんでかな?よくわからないけど、僕は自然と山羊のお爺さんに、ありがとうって言ってたんだ。
「今も昔も、これからを担う子供達が一番じゃからの。こんな事をしとったからか、大きくなった森川のせがれも、息子を連れてこの山に来てくれた。儂のしている事にも、意味が有ったとのじゃと思ったよ。カブトムシは捕れなくて残念じゃったがの。」
「吾妻さん…。」
「儂の息子も、とっくの昔に此処を出て行った。今じゃ年に一本の電話も寄越さんわい。じゃから、この山にカブトムシを捕りに来る子供達が、儂にとっては孫みたいなもんでの。暑さなんぞものともせずに、カブトムシに目を輝かせて自転車を漕いでくる子供達を、家の中から見ているのが何よりも楽しみなんじゃ。孫が来てくれなくなるのは寂しくていかん。」
そう言って山羊のお爺さんは、入れ歯がおちちゃわないかと思うぐらい、ニッコリと笑った。
でも、なんでかな?よくわからないけど、僕は自然と山羊のお爺さんに、ありがとうって言ってたんだ。
「今も昔も、これからを担う子供達が一番じゃからの。こんな事をしとったからか、大きくなった森川のせがれも、息子を連れてこの山に来てくれた。儂のしている事にも、意味が有ったとのじゃと思ったよ。カブトムシは捕れなくて残念じゃったがの。」
「吾妻さん…。」