「ふむ。近頃はカブトムシも数が減っているようじゃからの。昔より山の数が減っているのには気付かんかったか?」
パパは、ブドウのビニールハウスよりも、ずっととおくを見つめた。
「本当だ。吾妻さんに言われるまで気付きませんでしたよ…子供の頃遊ばせてもらった、小さな山が幾つか無くなってる。でもどうして…。」
「今の会社勤めの若い人等じゃ、自分家の山を維持出来んのじゃよ。有っても邪魔ぐらいにしか思っとらんのじゃろ。それを見透かされて、町に二束三文で譲りおった。変わっとらんように見えて、此処も少しずつ変わっとるんじゃよ。」
パパと山羊のお爺さんの話は、僕にはチンプンカンプンだった。
でも、とおくを見つめるパパの顔が、すごく寂しそう…。
パパは、ブドウのビニールハウスよりも、ずっととおくを見つめた。
「本当だ。吾妻さんに言われるまで気付きませんでしたよ…子供の頃遊ばせてもらった、小さな山が幾つか無くなってる。でもどうして…。」
「今の会社勤めの若い人等じゃ、自分家の山を維持出来んのじゃよ。有っても邪魔ぐらいにしか思っとらんのじゃろ。それを見透かされて、町に二束三文で譲りおった。変わっとらんように見えて、此処も少しずつ変わっとるんじゃよ。」
パパと山羊のお爺さんの話は、僕にはチンプンカンプンだった。
でも、とおくを見つめるパパの顔が、すごく寂しそう…。