隣のお家なんて、僕ん家とは比べものにならないくらいとおいんだ。


でも、お爺ちゃん家の中は、近所の人たちが集まってきてにぎやかだった。


夕日が消えちゃったのに、お顔を真っ赤に染めたお爺ちゃんやパパやおじさんが、近所の人たちと笑いながらお酒をのんでる。


お昼はすっごく暑かったのに、今は夕日の沈んだお空から風が吹いて、お風呂上がりの僕の髪を乾かしていく。


「真吾もこっちに来てご飯食べなさい。」


ほんとは食べたくなかったけど、何も入ってない空の虫かごを縁側に置いて、お婆ちゃんとママの間に座った。