モールと一緒に過ごす最後の日。

モールはるりのために、色々と準備してくれた。
城で生活するのに必要な用品に加え、モールが城にいた頃に着ていたという魔導着。

シンプルな黒のワンピースだ。
かなり昔のものらしいが、とても綺麗に保管されていたらしく、シミひとつない。

「この服自体に魔法の力が備わっている。城に行くまでに魔物に襲われても、この服がお前さんの身体を守ってくれるだろう。城の者が迎えに来るとはいえ、危ないからね。ついでに着心地もいいんだ。るりには少し丈が短いかもしれんが、まあ問題ない。明日これを着ていくといい」


「・・・本当に行くんですね。行きたくないって言っちゃダメですか?」

「わしだって本当は手放したくないよ。でも国王の命令は絶対だ。・・・・しょうがない」

「・・・・・」