るりの前に現れたのは真っ黒な服を纏った、そう、毒りんごを持つ魔女みたいなおばあさん。
鬼ではなく魔女!
とるりは驚く。
「・・・なんだい、こんな森の奥にあるこんな家に・・・。なんか用かい?」
しゃがれた声でるりに声を掛ける。
「えと・・・あの・・・。ここは地獄ですか?多分私死んだみたいで。気がついたらここにいたんですよ」
「・・・・はあ?」
魔女のおばあさんは怪訝な顔でるりを見る。
ん?話が通じてないようだ。
「いや、だからあの・・・死んだみたいで」
「・・・生きとるじゃないか。お前さん、どこかで頭打ったのかい?」
まったく話が噛み合わない。なに?ここ地獄じゃないの?
「あれ?死んでないの?私・・・」
きょとんとしているるりを見て、魔女のおばあさんは少し笑みが零れる。
「お入り。・・・ゆっくり話を聞こうじゃないか」
そう言うと、魔女のおばあさんはるりを家の中へ案内してくれた。