どうやら人が住んでいるようだ。
家具がカーテン越しにぼんやりと見える。

「鬼も人間みたいな生活するのね。意外だったわ」

家の中には煮えたぎる鍋やら、禍々しいものがあると思っていたからそれもまた拍子抜けた。
入り口のドアに回ると、どんどんと扉を叩く。

・・・反応がない。

もう一回。

・・・反応がない。


鬼は不在のようだ。

・・・と、思っていた矢先、その扉がゆっくりと開いた。




扉の先から出てきた鬼は、・・・・鬼ではなかった。