フランにあっかんベーをして扉を閉めようとした。
が、フランはモールを押しのけ、その扉を閉めまいと手を掛ける。


「ちょ・・・ちょっと離してよ!!」

「うるさい!!出て来い!!」

綱引きのように扉を引っ張る二人。
扉がばたんばたんと揺れる。

その光景に、たまらずモールが制した。


「二人ともやめんか!!!家が壊れるだろう!!!」

モールの突然の大声に驚き、二人は動きを止める。

「・・・ルリ、話を聞いてやんなさい。フラン殿、もしルリに何かしたら、わしが容赦しないからな」

モールはギラリと鋭い目でフランを見る。
フランはモールの威圧に怯えた。

モールの威圧は物凄かった。
さすが国を守った偉大なる魔法使い。

あんなに偉そうだったフランがモールの威圧の前では小さくなっている。

「あ、ああ。わかった。・・・・冷静に・・話します・・・」

「じゃあ、わしは少し自分の部屋で休むから。どこでも好きなところで」

ふっ、とモールの威圧がきえ、やれやれと言いながら自分の部屋へ消えていく。
残された二人。

「そ、外に出ようか」

「・・・ええ、わかったわ」