「よし!あれ吹こう!!」


がばっ!と勢いよく起き上がるとフルートを構える。

私の一番大好きなコンツェルトの曲を。

ええい、やけだ!
もうどうなってもかまわない。
気持ちよく吹こう!



るりは目を閉じてコンツェルトの冒頭を吹き始める。
その美しい旋律は光を帯びて部屋中をかけ巡った。