その夜、城では盛大にパーティーが行われた。
るりの魔法長就任を祝うパーティーである。
このパーティーではこの国の貴族はもちろんの事、城で働く者達も参加し、賑やかに行われていた。


「ルリさん、おめでとうございます!これからもよろしくお願いします!!」

「ククル、ありがとう。またお昼一緒に食べましょう」

「おめでとう、ルリ。それだけを言いにこの場にいるが、やはりどうも落ち着かない。俺はこれで失礼するよ」

「あはは、レイモンドらしいね。これからはもう少し、部屋から出てきてくれると嬉しいな。よろしくね」

「・・・努力するよ」

そう言うとレイモンドはそそくさと会場から姿を消した。
ククルは普段食べる事のない豪華な食事に目を輝かせ、堪能している。
そんなククルを微笑ましく見ていると、グレイがるりの前にやってきた。

「おめでとうございます、ルリ。明日から仕事の引継ぎをしたいと思いますので、忙しくなります。覚悟しておいてくださいね」

「はい。何かと助けてもらう事があると思います。これからもよろしくお願いします」

「こちらも・・・と言いたいところですが、残念ながらルリを助ける事が出来ません。実は近々この国を離れる事になりました」

「国を離れる・・・?」


「はい。もう一度魔法の修行をしに旅に出ます。いきなりの事で驚くでしょうが・・・」