「ルリ・・・!良かった、目覚めたのですね・・・!」

グレイの顔から安堵の表情が零れた。

「グレイ・・・・。ごめんなさい、心配掛けて・・・」

「ルリに何もなかったからいいんです。それよりも私達が不甲斐無くて助ける事も出来ず、本当に申し訳ありませんでした。自分の力の無さに呆れました。こんな私が魔法長なんて、国の恥です」

「そんな事言わないで下さい。グレイ様は立派なこの国の魔法長です。あれは私も悪かったんです。自分の身も守れないのに夜に外に出てしまって、モールさんに怪我をさせてしまって・・・」

「グレイ様、ルリ、そんなに気にするな。今回は仕方なかったんだ。フィランドールの力が予想よりも強く、正直ルリの魔法がなければ倒す事が出来なかった。逆に良かったんだよ、あの時ルリがフィランドールに操られ、あの曲を吹いた事が」

「・・・それはどういう・・?」

るりの問いかけに、グレイはあの楽譜が書かれた本をるりの前に差し出した。

「・・・そうでした。実はこの本なんですがね、楽譜が書かれた後のページは真っ白なんですが、とあるページに、古代文字であることが書かれているんです」

「あること・・・?」


「はい。それを解読していくと、こう書かれています」