るりの意識が戻ったのは2日後の事だった。

いつもの見慣れた天井。
カーテンの隙間から、陽の光りが差し込んでいる。

「目が覚めたか?ルリ」

顔を横に向けると、そこにはフランが心配そうな表情を浮かべて座っていた。

「あれ・・・私・・・」

「あの曲を吹いた後、倒れて2日寝ていた。大丈夫か?身体は」

「モールさんは!?」

「傷は身体中にあるが、命に別状はないそうだ。別の部屋で寝ているよ」

「そう・・・よかった・・・」

るりはモールが生きていた事に一安心する。
が、あの曲を吹いていた事は忘れようがない事実。

簡単に操られてしまった事で起こった現実。
私のせいで、この世界は終わってしまう。

夢も、希望もない、悲しい世界になってしまう。