「ルリ!!」
フランは吹き続けるるりに向かって、名前を呼んだ。
その声に反応して吹くのを止める。
一気に辺りは静けさを取り戻した。
「フラン・・・?あ・・・私・・・」
るりは我に返り、辺りを見回す。
近くには傷だらけで倒れているモールの姿。
フィランドールの魔法が解け動こうとする騎士達の姿が、るりには瀕死の状態に映っていた
私、フィランドールに操られて、あの曲を・・・!
ああ、なんてこと・・・!
私のせいで、私のせいでこの世界は・・・!!!
「いやああああああああ!!!!」
「ルリ!しっかりしろ!ルリ!!!」
フランの声が遠くで響く。
薄れゆく意識。
絶望と悲しみが身体を蝕むように、目の前が暗くなっていった。