「どう・・・いうことだ・・・?」

もがき苦しむフィランドールを見つめながら、フランはそう呟いた。

(この魔法は、世界を破壊と絶望に陥れる魔法ではなかったのか?
なぜフィランドールだけが・・・?)

やがて、周りの倒れていた者達に意識が戻り始め、身体が動くようになる。
グレイは顔をフランに向けた。


「フ・・・ラン、フィランドールを・・・」

「わかってる・・・っ・・、グレイ様は早くモール様の手当てをっ・・!」

フランはよろりと立ち上がり、剣を構えてフィランドールに向かっていった。


「終わりだっ・・・、フィランドール!」


倒れ、苦しむフィランドール目掛け、上から剣を突き刺す。
どすっ、と重く鈍い音が聞こえたと同時に、フィランドールの心臓付近に剣が突き刺さった。




「・・・!!!」

一瞬フィランドールの瞳が激しい炎のような赤色に光った後、その瞳から光りは消え去る。
そして全身が細かい砂になり、ぶわりと風に舞って流れていった。