「―――はっ!!」
るりは目を覚ます。
どうやら夢を見ていたようだ。
身体は汗で少し湿っている。
まだ夜明けまでは程遠く、部屋の中は暗い。
「・・・・大丈夫かい?ルリ」
今日はモールがるりの部屋にいることになり、心配そうにるりに声を掛ける。
「私・・・変な夢を見て・・・」
未だ動悸は治まらない。胸を手で押さえる。
「すまん、あんなものを見せたばかりに・・・」
「多分、動揺しているだけ・・・。大丈夫です・・・きっと」
忘れたいのに、頭の中でずっと鳴ってる。
こんな恐ろしくて不気味な曲は聴いたことないよ。
るりは思わず頭を抑える。
怖い。
怖い。
自分が自分でなくなりそうだ。