「・・・もしかして、フィランドールはこれを私に吹かせるつもりですか?」
「わからん。でもお前さんはこれを吹くことは出来ないだろう?」
「無理です。・・・これは吹いてはいけない。吹いたら大変なことになる」
るりの手が小さく震える。
なぜ楽譜が存在しないこの世界にあるのか。
そしてなぜこんな恐ろしい曲なのか。
誰がこれを作った・・・?
「ルリ、これはどういう魔法ですか?」
グレイの問いに、るりは震えた声で答えた。
「これは・・・この世界を壊しかねない、曲。"破壊と絶望" をもたらす魔法よ」
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