「ルリ・・・!!!」
一瞬の沈黙を置いて、真っ先にるりを抱きしめたのはグレイだった。
勢いが良すぎてるりは倒れそうになってしまう。
「ちょ・・・グレイ!!」
「無事で・・・!無事でよかった!!ルリ!!!」
こんなに感情をあらわにするグレイを見たのは初めてだった。
いつもならすぐ腕を外すのに、その腕を離す事ができなかった。
「ごめんなさい、グレイ。私が一人で行動してしまったばかりに・・・」
「いいえ!私が悪いのです!ルリをこんな危険な目に合わせて、本当に申し訳なかった。私は魔法長として失格です!」
「グレイ・・・」
るりはグレイの肩越しにその先にいるフランを見た。
フランはるりを見つめたまま動かない。
「フラン・・・?」
るりが声を掛けると、フランの瞳からぽたりと涙が流れ落ちた。