ルリの言葉で何かを察したようだ。
モールの表情がみるみる厳しいものに変わる。

「あの男・・・!その手を使ったのか・・・!何から何まで・・・!!」

「本当にごめんなさい!私が一人であの丘に行かなければこんな事には・・・」

るりは自分の行動の浅はかさを悔いる。
瞳からは涙がぽたぽたと足元に落ちていく。止めようと思っても止める事が出来ない。

「いずれあいつはどんな手を使ってでも、お前さんからフルートを奪っていただろう。お前さんに何もなかった事だけが今回の救い。だから、あまり気にしちゃならん」

モールはるりを優しい口調でるりを慰めた。それが逆に申し訳なくなって胸が痛くなった。