ルリは大きな声でそう叫ぶと、まっしぐらにモールの身体に抱きついた。

「大丈夫だったかい?怪我はないかい?」

モールは優しくるりの頭を撫でる。
懐かしさと安心からか、るりは声を上げて泣いた。


「こ、こわかったよう・・!!死ぬかと思った!!」

「お前さんがなんともなくてよかった。レイモンドの魔獣がお前さんところに来ただろ?あれがルリの居場所を教えてくれた。わしはお前を助ける為に瞬間魔法でここに来たんだ」

「そうだったの・・・。ごめんなさい、みんなに迷惑をかけて・・・」

「そう気にするな。お前さんが無事ならそれで・・・。ところでフルートは?」


「フルートを・・・奪われてしまったの。ファランドールと言う人に。目が凄く赤くて、死んだ人みたいに肌が青白くて。フルートがあればこの世界を滅ぼせるって、そう言ってた」