「フィランドールか・・・。わしの魔法が甘かったのか?いずれにせよ厄介な奴が現れおった」 「手を、貸してください。モール様。お願いします」 拳から血が滲んできそうなほど強く握り、フランは頭を下げた。 「・・・言われなくとも。移動魔法で一足先に城へ行こう」 「ありがとうございます・・・!モール様・・・!」 遠くの空ではだんだんと闇が明けようとしている。 フランは一刻の猶予も許されないと、急いで城へと向かった。