「あれは、なんていう魔法なんだ?」

「イメージは幸せ。皆に幸せが舞い降りて来ますように、って魔法かな。大胆なイメージだったんだけど、上手くいってよかった」

るりはフルートを片付けながら、そう答えた。


そう・・・。
少しでも、皆に幸せな気持ちを届ける事が出来たのなら。
この魔法は大成功だわ。




「ルリは今、幸せか?」


唐突な言葉。

るりの動きが止まった。
振り向くと、フランは神妙な面持ちでるりを見ている。

「・・・・なんでそんな事聞くの?」

「なんとなく。ルリはどうなのか、と思って。ルリの本当の幸せは自分の世界に帰り、今までの生活をする事。でも、戻れない。・・・今のルリは幸せではないんじゃないかと思ってな」