「あ、明日に備えて、今日は早く寝るわ!だからごめんフラン、もう・・・」

「そうだな、こっちこそごめん。明日午後迎えに来る。城の侍女には言ってあるから、午前中に侍女達がセットし
てくれるはずだよ。じゃあ、また明日。おやすみ」

フランが帰った後も、るりの心の高鳴りが収まる事はなかった。
ついついフランの笑顔を思い出してしまう。

我侭で偉そうなやつなのに。
いきなりあんな優しい笑顔されたら、調子狂っちゃう。


「だ、だめよ私!明日の事に集中しなきゃ。失敗したらいけないもの!落ち着け!」

るりは自分に言い聞かせるように声を出すと、大きく深呼吸をした。

明日は最高の演奏を。
その場にいるみんなに幸せを届けられるように。