「「「「きゃーーー!!フラン様ーーー!」」」」

馬に乗るフランが見えてくると、黄色い声援がそこらじゅうから湧き上がる。
陽の光がフランの髪を明るいブロンズに染め上げ、静かに吹く風と馬の動きで、その髪をさらさらと揺らす。

今までにない凛々しい顔。
少し切れ長の目がより印象的に見えた。

この国の正装に身を包み、背筋を伸ばして前を見据え馬に乗るその姿は、まるで御伽噺に出てくる王子様のようだった。

思わず見とれてしまうその姿に、るりは言葉を出せずただフランを見つめている。


・・・まずい。
これは格好よすぎる。
そりゃあ、モテる訳だよ・・・。


こんなに格好のいい男が、なぜ容姿の平凡な私なんかに執着するのか。

るりは改めて疑問に思う。

フランなら、もっとレベルの高い女の人を選ぶ事が出来るはずなのに。
なんで私なんだろう・・・。

フランは人ごみの中でるりを見つけた。
ばちりと目が合う。


フランはその時、凛々しい顔を少し崩し、るりに向かってウインクを投げた。