街に着くと、歩道は沢山の人で埋め尽くされている。
屋台では焼きそばやチョコバナナはなかったけれど、歩いて食べられる美味しそうな食べ物が売っていて、るりは目を輝かせて食べ物を覗いている。
「まだるりはお給金が出ていませんでしたね。食べますか?奢りますよ」
「いいの?ありがとうグレイ!」
グレイはにこりと笑うと、屋台の店主にお金を払い、串に刺さった美味しそうな肉を受け取った。
「はい、あーん」
え?とるりは固まる。
「あーんしないとあげませんよ?」
るりは悩んだ。ここで食べたらグレイの思うつぼだ。
しかし、目の前の肉はいい香りがしていて、るりの食欲を刺激する。
だめダメ駄目
食べちゃダメだ、食べちゃダメだ
食べちゃ・・・
結局、食欲に負けて、るりは自ら口を空けてぱくりと食べてしまう。
「素直ですね。いい子いい子」
グレイは満面の笑みで、るりの頭を撫でた。
うう、私としたことが。
だけど、この肉うまーーー。