「―――ルリ?」

何日か部屋に篭り続けるルリを心配して、グレイが部屋に入ってくる。
机で伏しているるりを見て、あわててグレイは近付いた。

るりは机で寝息をたてていた。
それを聞きグレイは一安心をする。

ふと見ると、るりの顔の下には出来上がった楽譜。
気持ちよさそうに眠るるりを見て、グレイは静かに微笑む。

「よく・・・がんばったね」

優しく頭を撫でると、るりを起こさないようにベッドへと運んだ。
そして、額に軽くキスをする。

「頑張ったご褒美。・・・成功する魔法だよ。本当はその唇にしたいけど、今日は我慢するね。いい夢を。おやすみ、ルリ」

るりの唇を指でなぞり、そのなぞった指で自分の唇をなぞった。


るりは全く気付かない。
そのくらい熟睡している。


楽しい夢を見ているのか、とても幸せそうな顔をしていた。