「こんな所にいましたか。捜しましたよ」
グレイは笑みを浮かべながら、歩いてるり達の所へとやってきた。
「どうしました?なんか用でも?」
るりはついつい構えてしまう。
油断はならない。
ククルが近くにいても、いつ抱きつかれるかわからないから。
「・・・そんなに冷たく言わなくても。大丈夫、抱きつきませんよ。ここに来たのはルリにお願いがあってきたのですから」
グレイは少し切なそうな表情を浮かべた。
「お願い?」
るりは食べるのを止め、グレイの話を聞く。
「建国祭の話は聞きました?実はその建国祭のイベントの一つで、最終日に城でのパーティーがあるんですけどね、そこでルリの魔法を披露して欲しいと、国王様からの要望がありまして」
「魔法の披露ですか?」
「そうです。一発派手なのをお披露目してもらえませんか?」