「・・・あなたは?」
「あ、ごめんなさい。こんな時間に。僕、この魔法塔にいる魔法使いの一人です。ククル=フィアルド、と言います。挨拶に行かなきゃと思って、何回か来てたんですけど返事がなくて・・・」
「あ、ちょっと寝てて・・・。私から挨拶に行かなきゃ行けなかったのに、こっちこそごめんなさい」
12、3歳だろうか。
可愛らしい男の子だ。
るりの前で、おどおどしながら話をしているのもまた心くすぐられる。
まだ少年だからなのか、手を差し出すこともなかった。
でもこんなに小さくてもこの城にいるってことは、相当優秀な魔法使いなんだろう。
「あの、大丈夫でしたか?」
「え?」