「って、お前その怪我でいくのかよ」

黒岩先輩はさっきの話しを聞いていた

らしい。

「頭は大丈夫なのかよ」

黒岩先輩にいわれ、頭部に手を置く。

そこには包帯が巻かれていた。

「それでも…私、行かなきゃ!」

私がそう言うと、先輩は立ち上がり

「なら、俺も行く」

そう言い放った。

「えっ?でも…また迷惑かけちゃいま

すし、そんなのダメですよ」

「迷惑じゃない。俺が行くっていって

るんだから」

先輩は真剣なまなざしで、こちらを見

る。

でも…と私が言いかけようとすると、

先輩は

「一人でなんか行かせねぇーから」

と言って私の手を繋ぎながら、

旧校舎へと走り出した。