だから、ごめんね。


このルールを曲げるつもりはない。取り消すつもりはないの。





『またね、琉生くん』



『あ、ちょ……!』





すごくわがままで自分勝手な先輩でごめん。


でも、こうでもしないと、ダメだと思ったの。





このままじゃ、一生「好き」と伝えないまま会えなくなっちゃうんじゃないかって思って。






そしてその日から、私は琉生くんに「好き」と伝え始めた。


この一方通行な初恋を、毎日毎日、届ける。






花に水を与えるように。


花が枯れてしまわぬように。





まだ蕾のこの花が、咲くことはないとわかっていても。