いきなり彼の姿が現れてびっくりしすぎて、言葉が出てこない。
どうしよう。
私は昨日、決めていたことがある。
それは、彼に会ったら――……。
『あ、あの、これ……』
『俺の生徒手帳…。ありがとうございます』
私はとりあえず保健医から預かっていた生徒手帳を、持ち主の彼に渡した。
『昨日は、ありがとうございました!!』
そして、私は昨日のお礼を、頭を深々と下げて言った。
しかし、彼からの返答はない。
私は不思議に思って顔を上げると、彼は『?』と首をかしげていた。
も、もしかして、昨日あったことを覚えてない!?
まさかのことで、私は少しショックを受けた。