『起きた?
もう大丈夫?』
私が起きたことに気づいた白衣の女性が、私にそう尋ねた。
あ……保健医の先生。
っていうことは、ここは保健室?
『は、はい。大丈夫です…』
『念のため、今日はもう帰ってね。家の人、連絡つくかしら?』
『はい』
『じゃあ、連絡してくるから待っててね』
『あ、あの!』
私は、保健医が保健室を出て行く前に、呼び止めた。
保健医は『どうしたの?』と首をかしげる。
『私を運んできてくれた人の名前、知りませんか?』
目を覚まして一番最初に浮かんだのは、声をかけてくれたあの人だった。