けれどそんなことはお構いなしに、淳平先輩は私に背を向け手を振りながら教室を出て行った。



私はその場にちょこんと座り込み、暫く動けずにいた。



この学園の王子様、淳平先輩はサラサラの栗色の髪の毛をしていて、優しそうな瞳をしている。

ルックスは文句なしで、本物の王子様みたい。



そんな王子様に私は抱きしめられたとか、私はどうしたらいいの!?



私は鞄を持ち、1人とぼとぼと昇降口に向かって歩き始めた。

その間何度も何度もさっきの出来事がフラッシュバックして、その度に顔が赤くなっていた。