●平凡な暮らし

都柳 愛
とやなぎ あい

なんで自分の名前が愛なのかわからない。
だって、だれも私を愛してくれる人なんていないじゃん

両親は離婚で別れた
父は家族を捨てて、逃げた
母は大事に私達を育ててくれた
父がいないからって大変な思いをさせたくないと朝から夜までずっと働いていた
起きても、帰ってもお母さんはいない
寂しかった
でもワガママなんて言えない
だから私もお母さんを楽にさしてあげたいと家事全般は全部やっていた
私には兄がいる
賢人
けんと
お母さんに言えないワガママを兄に全部言っていた
でも、兄はおこらずなんでもしてくれた
本当に頼れる兄だった

家族3人の生活がはじまったときはとても充実していたし、幸せだった
だからまさか家族が破壊していくなんて誰も思っていなかった