「泣かないで下さい…」
「だって、蒼汰君、こんな酷い事する人じゃーー」
「酷い?水晶さんの身体、こんなに喜んでいるのに?」
嫌だと、止めて欲しいと思っているのに、私の中にある蒼汰の指をぎゅっと締めて離さない。
頭に血が上る感覚に侵されて、
「そろそろ戻らないと、怪しまれますよね」
「えっ?ーーっあぁ!」
蒼汰は腕時計を見てそう言うと、私の中から指が居なくなった。
私はその余韻に肩を震わせる。
荒くなった息を整えていると、
「水晶さん、服、はだけてます。その顔もなんとかしないと、色気だだ漏れですよ」
私のシャツを正しながら、首元へ顔を寄せ、蒼汰は私に痕を付けた。