ふと意識が戻り
目を覚ました
保健室のベッドの
上に寝ていた。
白い天井が、今の
あたしの目には
痛いくらい眩しい
―あたし、
ふられたんだ
そうだった、
思い出してしまった
涙がにじむ―
「‥旭、」
心で思っていたはずが、
言葉になって
溢れてしまった
あたしは涙を拭う
別に、そんなに意外
だったわけじゃない
どうせ体だけの
存在だったじゃない
割り切ろうとしたけど
無駄な努力だって
気付いちゃったから
ため息を吐いて
ベッドから降りた。
紗織のあの顔‥
なんか癪だわ
あいつは旭に
愛されてんのか
旭も馬鹿だよ
‥あんな女に
騙されちゃってさ
「栂池さん、
大丈夫なの?」
保健の佐伯先生に
心配されていたが
笑顔で「大丈夫」と
答えてとぼとぼと
教室に向かう―