旭と佐和が盛大な溜息を吐いたところで、柚太が蛍人に歩み寄る。


「なあ、蛍人。笹原ってあの笹原か?」

「……? はい」

「だったら断って正解だ。あいつは魔性の女って噂があるらしい」

「そうですか」


誰にも聞こえないように蛍人に柚太は言う。

蛍人との会話を一通り終え、すっといきなり立ち上がった柚太は全員が揃ってから言おうと思っていた事を言い出す。