奏はそんな2人を早速放っておき、その場にいた女子2人に謝罪し、その場に腰掛けた。

すると持っていたビニール袋からおにぎりを取り出し、それを頬張り始める。


「……あれ? 湯浅君はまだなんだ?」

「そういえば咲ちゃんは知らないの? 蛍人君の行方」


蛍人の不在に気付いた奏はふと呟く。その言葉を聞いた佐和は咲に蛍人の事を尋ねる。

しかし咲はただ首を横に振るだけ。同じクラスである咲にも彼の所在は分からないようだ。


「校舎さんに聞いてみますね。中にいればすぐに分かると思いますから」

「悪いね……」

「いえ、気にしていませんから」