“いいのかよ”と方々(ほうぼう)から聞こえてきそうな中、

佐和の一言により沢谷は勝負が決まるかもしれない5戦目の抽選を行った。

この5戦目の対戦カードが決まった時点で自動的に最終戦の対戦カードも決まるだけあってか、

より一層の緊張感が会場全体を包み込んだ。


「えーっと……笹原さんと榊君だね。2人ともこっちに」


名前を呼ばれた2人はそれぞれの想いを胸に、言われるがままに中央へ。

そしてこの時点で最終戦の対決は柚太と2年生の男子に決まった。

それを知った時、悔しそうな顔をする佐和とそれとは正反対にうっすらと笑みを浮かべる郁人。